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産後ケアは医療費控除の対象になる?【2026年版】助産師のケアは対象になりうる、ホテル代は分けて考える

この記事は2026年9月25日時点の国税庁の公開情報をもとに、税の一般的な仕組みを説明したものです。 個別の支払いが控除の対象になるかは、最終的には税務署が判断します。迷ったら、確定申告の前に所轄の税務署に確認してください。

結論:「助産師のケア」と「ホテル代」を分けて考える

産後ケアの費用は、全部まとめて対象になる・ならない、とは決まりません。国税庁の基準に当てはめると、次のように分かれます。

費用 医療費控除 根拠
助産師による産後の保健指導(授乳・育児の指導、母体のケアなど)対象になりうる所得税基本通達73-7
助産所(助産院)に入所するための費用対象になりうる所得税法施行令207条3号
看護師・保健師による療養上の世話対象になりうる所得税法施行令207条5号、通達73-6
ホテルの宿泊費・食事代公式な基準がない上のケアを受けるために「通常必要」かどうかで判断が分かれる
エステ・スパ・リラクゼーション対象外疲れを癒す・容姿を整えるための費用は含まれない
パートナーや上の子の宿泊費・食事代対象外治療やケアを受ける本人の費用ではない
入院・入所のための身の回り品対象外タックスアンサー No.1124

根拠:助産師の「保健指導」は分べんの介助に含まれる

医療費控除の対象になる費用は、所得税法施行令207条に並んでいます。産後ケアに関係するのは次の3つです。

  • 3号 病院・診療所・助産所などへ収容されるための人的役務の提供の対価
  • 5号 保健師・看護師・准看護師による療養上の世話の対価
  • 6号 助産師による分べんの介助の対価

6号の「分べんの介助」は、出産そのものだけを指すように読めます。しかし、国税庁の所得税基本通達73-7は、助産師が行う妊婦・じょく婦(産後の母親)・新生児の保健指導も含まれるとしています。産後ケアで助産師から受ける授乳の指導や育児の相談、母体のケアは、この保健指導にあたる部分があります。

施設の種類で考え方が変わる

施設の種類 考え方
助産院型(助産所)施行令207条3号(助産所への収容)と6号(助産師の保健指導)に当てはまりやすい
クリニック併設・医療機関が運営診療所への収容や、看護師・助産師のケアにあたる部分がある
ホテル型(ホテルの客室を使う)助産師のケアの部分と、ホテルの宿泊・食事の部分を分けて考える。宿泊・食事まで含めてよいかは公式な基準がない
自治体の産後ケア事業(自己負担分)受けたケアの内容で考える。宿泊型でも助産師・看護師のケアが中心

ホテル型の料金は「1泊いくら」に宿泊・食事・ケアがまとめて入っていることが多く、そのままでは内訳が分かりません。控除を受けたいなら、領収書でケア料金と宿泊・食事代を分けてもらえるか、予約のときに施設に聞いておくのが確実です。

全国の施設の料金の数え方は産後ケアホテルの料金比較、自治体の事業は産後ケア事業の申請ガイドにまとめています。

控除される金額の計算

医療費控除の金額は、次の式で計算します(上限200万円)。

(その年に支払った医療費 − 保険などで補てんされる金額)− 10万円

  • 10万円の部分は、その年の総所得金額等が200万円未満の人は「総所得金額等の5%」
  • 出産育児一時金は、出産費用から差し引きます。 国税庁は、補てんされる金額は「その給付の目的となった医療費の金額を限度として」差し引き、引ききれなくても他の医療費からは差し引かない、としています
  • 自分だけでなく、生計を一にする配偶者や家族の医療費も合算できます

計算の例(仮の数字)

項目 金額
出産費用55万円
出産育児一時金−50万円(出産費用から差し引く)
産後ケアのうち、領収書でケア料金とされた部分12万円
同じ年の家族の通院費・薬代など3万円
医療費の合計(補てん後)20万円
控除額(20万円 − 10万円)10万円

控除額は「所得から差し引かれる金額」で、戻ってくる税金はこれに税率をかけた額です。所得税率が10%なら、所得税が1万円ほど戻ります(住民税も翌年度に軽くなります)。

産後ケアのうち、どこまでを医療費に入れるかで結果が変わります。宿泊費まで入れるかどうか迷う場合は、上の例のようにケア料金とはっきり分かる部分だけで計算しておくのが安全です。

申告のしかた

  • 確定申告で申請します。 会社の年末調整では受けられません
  • 確定申告書に「医療費控除の明細書」を付けます。領収書は提出しませんが、税務署から提示を求められることがあるので、確定申告の期限から5年間は保管します
  • 還付を受けるための申告は、その年の翌年1月1日から5年間できます。申告を忘れていても、あとから出せます

予約の前に施設に聞いておくこと

  1. 領収書で、ケア料金と宿泊・食事代を分けて書いてもらえるか
  2. ケアを担当するのは助産師か、看護師か
  3. 施設の区分(助産所・診療所として届け出ているか、ホテルの一室を使う形か)

見学や問い合わせのときに聞くことは見学で確認すべき10項目にもまとめています。